親の死後にやること一覧|期限順の手続きカレンダー【2026年版】

この記事の中身
最初に動くのは死亡届(7日以内)、次に年金と健康保険の届け出(10〜14日以内)です。そのあとは相続放棄3か月、準確定申告4か月、相続税10か月、相続登記3年と続きます。期限があるのはこれらで、残りは時効に気をつけながら一つずつ片づければ間に合います。
- 期限は死亡届7日以内、年金・保険10〜14日、相続放棄3か月、相続税10か月の順
- 相続登記は2024年から義務化。取得を知った日から3年、怠ると10万円以下の過料
- 葬祭費・埋葬料・未支給年金などは請求しないともらえず、2〜5年で時効
- 次の一手:死亡診断書のコピーを5〜10枚とり、故人宛の郵便物と通帳で引き落とし中の契約と借金の手がかりを確認する。

まず全体像:期限順の手続きカレンダー
親の死後の主な手続き(期限順・2026年7月時点の制度)
「3か月」「4か月」「10か月」の起算点は「相続の開始(死亡)を知った日」またはその翌日です。同居家族なら実質的に亡くなった日と同じですが、疎遠だった場合は知った日から数えます。
あなたの場合、どこから始める?
| いまの状況 | 先に手をつけること | 行き先 |
|---|---|---|
| 亡くなって1週間以内 | 死亡診断書のコピーを5〜10枚とる | 市区町村役場 |
| 葬儀が終わった直後 | 年金の受給停止、健康保険・介護保険の資格喪失、世帯主変更 | 年金事務所・市区町村役場 |
| 借金があるかもしれない | 3か月以内に相続放棄・限定承認を判断 | 家庭裁判所 |
| 実家など不動産がある | 方針が未定でも登記だけ先に済ませられる(3年以内) | 法務局 |
| 財産が基礎控除を超えそう | 基礎控除を超えるなら10か月以内に申告 | 税務署・税理士 |
| もらい忘れをなくしたい | 葬祭費・埋葬料・高額療養費・未支給年金・死亡保険金は請求が必要 | 市区町村役場・健康保険組合・年金事務所・各保険会社 |
まず今日やること
- 死亡診断書(死体検案書)のコピーを5〜10枚とる
- 故人宛の郵便物と通帳を集め、引き落とし中の契約と借金の手がかりを確認する
- 銀行に連絡すると口座は凍結されるため、当面の支払いを先に決める
【7日以内】死亡届と火葬の手続き
- 病院から死亡診断書(死体検案書)を受け取ります。以後の手続きで提示を求められるため、コピーを5〜10枚とります
- 死亡届の期限は「死亡の事実を知った日から7日以内」。提出先は市区町村役場で、火葬(埋葬)許可の申請も同時です
- この2つは葬儀社が代行するのが通例で、遺族が出向く場面はほとんどありません
【10日〜14日以内】年金・保険・世帯主の届け出

役所と年金事務所の手続きが集中します。同じ役所で済むものが多いので、一度の来庁でまとめるのが基本です。
- 年金の受給停止(受給権者死亡届):厚生年金10日以内、国民年金14日以内。マイナンバーが日本年金機構に収録済みなら死亡届は原則不要。死亡後の分が振り込まれたら返還が必要です
- 世帯主変更届(14日以内):親が世帯主で、残る世帯員が2人以上いる場合
- 健康保険の資格喪失:国民健康保険・後期高齢者医療は14日以内に保険証を返却。勤務先の健康保険なら勤務先経由で手続きします
- 介護保険の資格喪失届(14日以内):介護保険証も返却
【3か月以内】相続放棄するかどうかの判断
最初の大きな分かれ道です。相続放棄・限定承認は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」に家庭裁判所へ申し立てます。この間に遺言書の有無・相続人・財産と借金を把握しておきます。
3か月のあいだに確認しておくこと(郵便物・遺言書・財産の一覧)
- 借金が不安なときは、督促状やローン明細が届いていないか故人宛の郵便物と通帳を確認します
- 自筆の遺言書はその場で開封しません。家庭裁判所の検認が必要です(法務局の自筆証書遺言書保管制度を使っていた場合は不要)
- 相続放棄をしない場合でも、財産の一覧づくりは相続税や相続登記の準備としていずれ必要です
【4か月以内】準確定申告
典型例は故人に事業所得や不動産収入があったケースです。相続人が故人に代わり、相続の開始を知った日の翌日から4か月以内に申告・納税します。
そもそも準確定申告が必要か/還付を受けられる場合
- 収入が年金のみなど申告不要のことも多いため、該当するかを先に税務署か税理士へ確認するのが効率的です
- 医療費が多くかかった年は、申告義務がなくても申告で還付を受けられる場合があります
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【10か月以内】相続税の申告・納付
申告と納税は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下なら申告不要のケースもあります。
税額がゼロでも申告が必要になる場合
小規模宅地等の特例などで税額がゼロになる場合も、申告自体は必要なことがあります。基礎控除前後にありそうなら税理士への相談が確実です。
基礎控除を超えそうかは実家の評価額しだいです。固定資産税の課税明細書があれば、その数字だけで見当をつけられます。実家相続シミュレーター(相続税・売却手取り・維持費の概算)
【3年以内】相続登記(2024年から義務化)
2024年4月から相続した不動産の登記は義務になりました。期限は取得を知った日から3年で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料が科されることがあります。処分方針が未定でも登記だけ先行できます。
登録免許税の概算と手続きの流れがわかります(無料・当サイト運営)
【期限はないが時効がある】請求しないともらえないお金

ここまでは「出す・納める」手続きでした。請求しないと受け取れないお金もあり、それぞれ時効があります。
| お金 | 内容 | 時効 |
|---|---|---|
| 葬祭費 | 国保・後期高齢者医療から。自治体により数万円(東京23区は7万円) | 葬儀の翌日から2年 |
| 埋葬料 | 会社の健康保険(協会けんぽ等)から埋葬した家族に5万円 | 死亡日の翌日から2年 |
| 高額療養費 | 亡くなる前の医療費が高額だった場合の払い戻し | 診療月の翌月1日から2年 |
| 未支給年金 | 亡くなった月の分までで受け取れていない年金 | 5年 |
| 遺族年金 | 要件を満たす遺族が受給 | 5年 |
| 死亡保険金 | 生命保険。保険法上の請求期限は3年(かんぽ生命は5年) | 3年 |
親がどの生命保険に入っていたか分からない場合は、生命保険協会の「生命保険契約照会制度」で加入契約の有無を一括照会できます。
銀行口座は「凍結される前提」で段取りする
凍結のきっかけは死亡届ではなく、家族の申し出などで金融機関が死亡を把握した時点です。凍結後は遺産分割協議がまとまるまで原則として出金できません。
仮払い制度の上限と、引き出した現金の扱い
- 急ぎの支払いには遺産分割前の仮払い制度が使えます。上限は1金融機関につき150万円、かつ預貯金額×3分の1×法定相続分です
- 引き出した現金を自分のために費消すると法定単純承認とみなされ、相続放棄の権利を失うおそれがあります。領収書は保管してください
【期限は緩いが放置すると困る】契約の解約・返納
故人名義の契約は口座凍結で引き落としが止まり、未納や延滞金の原因になります。
解約・返納の優先度順リスト(電気・ガス・水道/携帯/カード/免許証/パスポート)
- 電気・ガス・水道:世帯が残る場合や空き家として管理を続ける場合は名義変更、誰も使わないなら解約します
- 携帯電話:ショップ窓口か郵送で解約手続きをします。死亡を理由とする解約では、違約金がかからない運用が各社とも一般的です
- クレジットカード:解約を忘れると年会費の請求が続きます。サブスクの決済に使われていることも多いので、解約前に利用明細を一度確認しましょう
- 運転免許証:死亡と同時に免許は効力を失いますが、道路交通法上、免許証自体は警察署か運転免許センターに返納することとされています
- パスポート:名義人の死亡により失効します。手続きの窓口はパスポートセンターです。形見として残したい場合は、無効化の処理をしたうえで返してもらうことができます
期限のない3つの大きなテーマ:相続・実家・お墓

役所まわりが落ち着くと課題が3つ残ります。1つめは遺産分割協議で、法定の期限はないものの相続税の申告(10か月)と相続登記(3年)の入口にあたるため放置できません。2つめは実家で、片づける・売る・壊すのどれを選ぶにも相続登記が前提です。
実家の片づけでは、値打ちの分からない品物で手が止まりがちです。骨董・着物・切手など捨てると戻せないものは、捨てる前に査定を検討したい品目と出張買取の注意点のまとめ
3つめがお墓です。遠方で管理できない、継ぐ人がいないといった事情から「墓じまい」を選ぶ家庭が増えています。離檀料の相場、改葬許可申請の手順、費用の内訳は関連記事にあります。
区画の広さと立地から撤去費の目安がわかります(無料・当サイト運営)
よくある質問
親が死んだら、まず最初の1週間で何をすればいいですか?
病院で死亡診断書を受け取り、死亡を知った日から7日以内に死亡届を市区町村役場へ提出します(火葬許可も同時)。この2つは葬儀社が代行するのが通例です。遺族は死亡診断書のコピーを複数枚とり、10〜14日以内の役所手続き(年金の受給停止・保険証の返却・世帯主変更)に備えてください。
死亡届を出すと銀行口座はすぐ凍結されますか?
いいえ。役所に死亡届を出しても金融機関に自動で連絡はいきません。凍結は、遺族が銀行へ連絡するなど金融機関側が死亡を把握した時点からです。凍結後も、遺産分割前の仮払い制度(1金融機関150万円、かつ預貯金額×3分の1×法定相続分まで)で当面の資金を引き出せます。
相続放棄の3か月はいつから数えますか?
民法上は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月です。同居家族なら実質的に亡くなった日から、疎遠で後から知った場合は知った時から数えます。判断が難しい場合は、家庭裁判所に期間伸長を申し立てる方法もあります。
手続きをしないと損をするお金にはどんなものがありますか?
葬祭費(自治体により数万円・2年で時効)、埋葬料(会社の健康保険から5万円・2年)、高額療養費(2年)、未支給年金・遺族年金(5年)、死亡保険金(保険法上3年)などは請求しないと受け取れません。加入保険が不明なら生命保険協会の「生命保険契約照会制度」で一括照会できます。
相続登記をしないとどうなりますか?
2024年4月から相続登記は義務化され、取得を知った日から3年以内に登記しないと、正当な理由がない場合10万円以下の過料の対象になります。処分方針が決まっていなくても、登記だけ先に済ませられます。
まとめ:期限のあるものから、一つずつ
優先すべきは期限つきの手続き(7日→14日→3か月→4か月→10か月→3年)だけです。それ以外は時効に気をつけて一つずつ片づければ間に合います。手が止まったら冒頭のカレンダーで現在地を確かめてください。
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本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言・税務相談ではありません。個別の判断が必要な場合は税理士・行政書士・弁護士等の専門家にご相談ください。