改葬許可申請のやり方|必要書類・書き方・費用をわかりやすく解説

墓じまいで遺骨を別の場所へ移すときは、いまお墓のある市区町村から「改葬許可証」を受け取る必要があります。そのために出すのが改葬許可申請です。必要書類がそろえば自分で進められる手続きで、横浜市・大阪市北区のように手数料が無料の自治体もあります。
- 申請先は移転先ではなく、いま遺骨があるお墓の所在地の市区町村です
- 申請書は原則として遺骨1体につき1通。埋蔵の事実を証する書面を添付します
- 手数料は横浜市・大阪市北区のように無料の例もあり、様式は自治体で異なります
- 次の一手:先に遺骨の移転先を確保し、現在のお墓の管理者に埋蔵証明を依頼する。並行して、いまお墓のある市区町村の案内で様式・必要書類・手数料を確認する。

改葬許可申請の進め方
改葬許可申請とは(墓埋法の定め)
遺骨を別のお墓や納骨堂へ移すことを「改葬」といいます。改葬には市区町村長の許可が必要で(墓埋法第5条)、許可を受けると改葬許可証が交付されます(同法第8条)。
| 論点 | 墓埋法の定め |
|---|---|
| 申請先 | 改葬の許可は「死体又は焼骨の現に存する地の市町村長」が行う(第5条第2項)=移転先ではなく、いま遺骨があるお墓の所在地 |
| 許可の効果 | 市町村長が許可を与えるときは、改葬許可証を交付しなければならない(第8条) |
根拠となる条文を読む(墓埋法第5条・第8条)
墓埋法第5条第1項は「埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。)の許可を受けなければならない」と定めています。同条第2項では、改葬に係る許可は「死体又は焼骨の現に存する地の市町村長」が行うとされています。つまり、申請先は移転先ではなく、いま遺骨があるお墓の所在地の市区町村です。要約:e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」(第5条・第8条)
墓埋法第8条は「市町村長が、第五条の規定により、埋葬、改葬又は火葬の許可を与えるときは、埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を交付しなければならない」と定めています。改葬の場合に交付されるのが改葬許可証で、これが遺骨の取り出しと新しい納骨先への納骨に必要になります。要約:e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」(第5条・第8条)
改葬許可証がないまま遺骨を移すことは想定されていません。石材店による墓石の撤去や新しい納骨先への納骨も、改葬許可証の提示・提出を前提に進むのが一般的です。
必要書類の一覧
主な必要書類は次のとおりです。様式・必要書類は市区町村ごとに異なるため、いまお墓のある市区町村の案内で確認してください。
| 書類 | 入手先 | 備考 |
|---|---|---|
| 改葬許可申請書 | 市区町村の窓口・自治体サイト | 遺骨1体につき1通が原則。様式は自治体ごとに異なる |
| 埋蔵(納骨)の事実を証する書面 | 現在のお墓・納骨堂の管理者 | 施行規則で添付が求められる。申請書に管理者の証明欄がある自治体も |
| 受入証明書・使用許可書 | 移転先の墓地・納骨堂・霊園の管理者 | 施行規則の必須添付ではないが、求める自治体がある |
| 承諾書・委任状 | 墓地使用者(申請者が本人でない場合) | 墓地使用者以外が申請するときに必要(施行規則) |
| 申請者の本人確認書類 | 運転免許証・マイナンバーカード等 | 郵送ではコピーの同封を求める自治体が多い |
施行規則が添付を求めている書面(墓埋法施行規則第2条)
このうち「埋蔵(納骨)の事実を証する書面」と、使用者以外が申請する場合の「承諾書」は、墓埋法施行規則で申請書への添付が定められているものです。
墓埋法施行規則第2条は、改葬許可申請書に、墓地等の管理者が作成した「埋葬若しくは埋蔵又は収蔵の事実を証する書面」を添えることを求めています。また、墓地使用者等以外の人が改葬を申請する場合は、改葬についての承諾書、またはこれに対抗できる裁判の謄本を添えることとされています。要約:e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」(第2条)

申請書の書き方のポイント
記載する項目も墓埋法施行規則第2条で定められています。書式は自治体で異なりますが、記載内容はおおむね共通です。
- 亡くなった方の本籍・住所・氏名・性別
- 死亡年月日
- 埋葬または火葬の場所と年月日
- 改葬の理由(例:お墓の管理が難しい、永代供養に切り替えるため など)
- 改葬の場所(移転先)
- 申請者の住所・氏名、亡くなった方との続柄、墓地使用者との関係
記載欄ごとの書き方の目安(記入例つき)と、死亡年月日がわからないとき
| 記載欄 | 書き方のポイント | 記入例 |
|---|---|---|
| 改葬の理由 | ありのままの事情でよく、理由で却下されることは基本的にないとされる | 「墓地の管理が困難なため」など |
| 死亡年月日 | わからない場合は窓口で確認(「不詳」と記載できる自治体もある) | 「昭和45年3月頃」など |
| 改葬前の墓地(現在地) | いま遺骨がある墓地・納骨堂の正式名称と所在地 | 「〇〇霊園(△△市……)」 |
| 改葬先(移転先) | 移転先の墓地・納骨堂の正式名称と所在地 | 「〇〇霊園 合葬墓(△△市……)」 |
| 申請者と使用者の関係 | 本人か、異なる場合は使用者との続柄 | 「本人」「長男」など |
上表の記入例は一般的な書き方の目安です。様式や記載の求め方は自治体で異なるため、実際の記入方法は申請先の市区町村の案内で確認してください。
先祖代々のお墓など、古い遺骨では死亡年月日や本籍が正確にわからないことがあります。こうした場合の記載方法(「不詳」と書けるかなど)は自治体によって扱いが異なるため、窓口で確認してください。全国共通の扱いはありません。
記載の求め方は自治体で異なります。実際の記入方法は申請先の市区町村の案内で確認してください。
1枚の申請書で申請できるのは原則として遺骨1体分です。複数まとめて改葬する場合は、体数分の申請書が必要になることが多い点に注意してください。
あなたの場合はどうする?
| あなたの状況 | 必要になるもの・扱い | 次にすること |
|---|---|---|
| 移す遺骨が複数体ある | 申請書は原則として遺骨1体につき1通 | 体数分の申請書を用意する |
| 申請者が墓地使用者本人ではない | 使用者の承諾書(またはこれに対抗できる裁判の謄本) | 墓地使用者から承諾書・委任状をもらう |
| 遺骨の移転先が決まっていない | 受入証明書が用意できず、改葬先の記載もできない | 納骨先を先に確保する |
| 死亡年月日や本籍がわからない | 「不詳」と書けるかの扱いは自治体で異なる | 申請先の窓口で記載方法を確認する |
| お墓が遠方で窓口に行けない | 郵送で受け付ける自治体がある(横浜市・大阪市北区) | 電話番号を記入し、切手を貼った返信用封筒を同封する |
| 散骨のために遺骨を取り出したい | 改葬許可の要否は自治体で運用が分かれる | 市区町村と墓地の管理者の双方に事前確認する |
まず今日やること
- 遺骨の移転先を決める(受入証明書や改葬先の記載に必要になるため)
- 現在のお墓の管理者に、埋蔵(納骨)の事実を証する書面を依頼する
- いまお墓のある市区町村の案内で、様式・必要書類・手数料・申請方法を確認する
1画面1問の選択式/登録不要ですぐ結果
自治体の実例(横浜市・大阪市・世田谷区)

手数料や書類、申請方法は自治体によって異なります。人口の多い3自治体の公式案内で違いを見てみます。
3自治体の改葬許可申請(2026年時点の公式案内)
横浜市
横浜市の手続きの細目を見る
横浜市は、改葬許可証の手数料を無料と案内しています。手続きの要点は次のとおりです。
- 申請書の入手:市の電子申請サービスからダウンロードできるほか、各区役所の戸籍課でも配布されている
- 申請先:現在の墓地がある区役所の戸籍課。窓口のほか郵送でも受け付けている
- 郵送の場合:昼間に連絡が取れる電話番号を申請書に記入し、切手を貼った返信用封筒を同封する
- 墓地使用者と申請者が異なる場合:委任状または承諾書が必要
大阪市(北区の例)
大阪市北区の必要書類と郵送の扱いを見る
大阪市北区も改葬許可申請の手数料を無料と案内しています。必要書類は次のとおりです。
- 改葬許可申請書(亡くなった方1名につき1枚)
- 現在の墓地の管理者が発行する納骨の事実を証する証明書の原本
- 改葬先の受け入れを確認できる書類の原本
- 申請者の本人確認書類
窓口のほか郵送での申請も可能で、郵送では本人確認書類を除き原本が必要とされ、返信用封筒(住所・氏名を記載し切手を貼付)を同封します。区によって窓口が分かれるため、遺骨のある区の区役所で手続きします。
世田谷区
世田谷区の必要書類と受付窓口を見る
世田谷区の案内では、次のものが必要とされています。
- 改葬許可証交付申請書(申請書は一体につき1通必要)
- 改葬先の寺院などからの受入証明書または使用許可書
- 申請人の印鑑
受付は区内の各総合支所の戸籍係で、管轄にかかわらずどの総合支所でも申請できます。なお、区の案内には手数料の金額の記載がないため、費用は総合支所への確認が必要です。
この3例はいずれも2026年時点の案内で、最新は各自治体公式で確認してください。改葬許可申請の様式・必要書類・手数料・申請方法は自治体ごとに異なるため、必ず墓地の所在地の市区町村の公式案内で確認してください。
費用と所要期間の目安
役所に出す改葬許可申請そのものの費用と所要期間の目安です。金額は自治体によって異なるため、事前に確認してください。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 手数料 | 横浜市・大阪市北区のように無料の自治体がある一方、1通あたり数百円程度の手数料がかかる自治体もある |
| 窓口申請 | 必要書類がそろっていれば、その場で交付する自治体もある |
| 郵送申請 | 書類の往復に日数がかかる |
実際には、この手続きより前の「移転先を決める」「埋蔵証明を出してもらう」準備に時間がかかることが多く、余裕をもって進めるのが安全です。
ここで扱っているのは、役所に出す改葬許可申請の費用です。墓石の撤去工事費、閉眼供養のお布施、新しい納骨先の費用など、墓じまい全体でかかる費用は別に発生します。全体の総額の目安は、次のシミュレーションや関連記事もあわせてご覧ください。
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よくあるつまずき
- 移転先が決まっていない:受入証明書や移転先の記載が必要。納骨先を先に確保する
- 遺骨の体数と申請書の枚数が合っていない:申請書は原則として遺骨1体につき1通
- 埋蔵証明を後回しにする:証明を出してもらう工程で時間がかかることがある
- 申請先を間違える:申請先はいま遺骨があるお墓の所在地の市区町村です(墓埋法第5条第2項)
よくある質問
改葬の手続きは自分でやらず、代行に頼めますか?
頼めます。書類の作成・提出の代理を行政書士に依頼する方法があり、墓じまい代行サービスには手続きの取り次ぎまで対応するものもあります。必要書類をそろえれば自分でも申請できる手続きです。
改葬許可申請はどこの市区町村に出しますか?
いま遺骨があるお墓の所在地の市区町村です。墓埋法第5条第2項で、改葬の許可は「死体又は焼骨の現に存する地の市町村長」が行うと定められています。移転先の市区町村ではない点に注意してください。
改葬許可証をなくしてしまったら?
交付を受けた市区町村の窓口に、再交付や証明が受けられるか相談してください。対応は自治体によって異なり、全国共通の取り扱いはありません。
散骨する場合も改葬許可は必要ですか?
現在のお墓から遺骨を取り出す場合、改葬許可の要否は自治体によって運用が分かれます。事前にお墓の所在地の市区町村と墓地の管理者に確認してください。散骨そのものは墓埋法に禁止する規定がなく、国(旧厚生省)も「墓地、埋葬等に関する法律においてこれを禁止する規定はない」との見解を示しているとされます(東京都保健医療局の案内による)。節度をもって行う限り問題ないと解されてきましたが、法的な手続きは定められていないため、事前に地域の自治体へ確認することがすすめられています。
改葬許可申請に親族の同意書は必要ですか?
法令上、親族全員の同意書は必要ありません。墓埋法施行規則で添付が求められているのは、申請者が墓地使用者本人でない場合の、使用者の承諾書(またはこれに対抗できる裁判の謄本)です。必要書類は市区町村ごとに異なるため申請先の案内で確認してください。お墓には他の親族の心情も関わるため、事前に相談しておくと行き違いを避けやすくなります。
受入証明書と埋蔵証明書は、どちらを先に取ればいいですか?
先に移転先を確保するのが実務的な順番です。受入証明書は移転先の管理者が発行するもので、移転先が決まらないと用意できず、申請書にも改葬先の記載が必要になるためです。埋蔵の事実を証する書面は現在の管理者に依頼しますが、発行に時間がかかることがあるため早めに動くと全体が滞りません。なお受入証明書は施行規則上の必須添付ではなく、求めるかは自治体によって異なります。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言・税務相談ではありません。個別の判断が必要な場合は税理士・行政書士・弁護士等の専門家にご相談ください。 記載の費用・相場は出典元の公開情報に基づく目安であり、実際の金額は寺院・霊園・業者により異なります。