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実家を相続したら相続税はいくら?基礎控除と計算の順番

更新日 /約9分で読めます

実家の前に立ち、書類を手に家を見上げる家族の水彩イラスト
この記事の中身
  1. まず基礎控除と比べる(3,000万円+600万円×法定相続人の数)
  2. 実家の評価額は、固定資産税評価額から見当をつけられる
  3. 基礎控除を超えたときの計算は3ステップ
  4. 3つの例で見る(当サイトのシミュレーターと同じ計算式)
  5. 税額が下がる可能性のある2つの制度
  6. 相続税がかからなくても、実家には別の期限がある
  7. あなたの場合はどうなる?
  8. よくある質問
  9. まとめ:順番は「基礎控除→評価額→特例」

実家を相続して相続税がかかるかは、財産の合計額(課税価格の合計額)が基礎控除額「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えるかで決まります。これ以下なら原則として相続税はかからず、申告も必要ありません。

  • 相続税がかかるかは基礎控除「3,000万円+600万円×法定相続人の数」と比べて判定
  • 実家の評価は課税明細書の「価格」から。建物はそのまま、土地は÷0.7×0.8で概算
  • 特例で税額が0円になる場合も申告は必要。期限は知った日の翌日から10か月以内
  • 次の一手:法定相続人の数から基礎控除額を出し、固定資産税の課税明細書で実家の評価額に見当をつけて比べる。
実家の前で、書類を手にした姉弟が相談している水彩イラスト

まず基礎控除と比べる(3,000万円+600万円×法定相続人の数)

最初にするのは、財産の合計額と基礎控除額を比べることです。基礎控除額は法定相続人の数だけで決まるので、財産の内容が分からなくても先に計算できます。

法定相続人の数別・基礎控除額

法定相続人の数別・基礎控除額 1人 3,600万円 2人 4,200万円 3人 4,800万円 4人 5,400万円 5人 6,000万円1人3,600万円2人4,200万円3人4,800万円4人5,400万円5人6,000万円03000万円6000万円
国税庁 No.4152。この金額以下なら申告も納税も不要。超えていれば、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に申告と納税をします(国税庁 No.4205)。
「法定相続人の数」の数え方(相続放棄・養子がいる場合)

「法定相続人の数」は、相続放棄をした人がいてもその放棄がなかったものとして数えるなど、民法上の相続人と一致しないことがあります。養子の数にも制限があります。人数の数え方に迷う場合は税務署または税理士に確認してください。

実家の評価額は、固定資産税評価額から見当をつけられる

机の上の家の模型と書類・印鑑・封筒の水彩イラスト

土地の評価は本来、路線価図で形状・間口・接道状況などを加味して個別に計算しますが、手元の資料でも見当はつきます。使うのは、毎年4〜6月に届く固定資産税の納税通知書に同封された「課税明細書」の価格(評価額)欄です。「課税標準額」ではなく「価格」を見てください。

  • 建物(家屋):相続税評価額は固定資産税評価額と同じ(倍率1.0)です(国税庁 No.4602)
  • 土地:固定資産税評価額は地価公示価格の7割程度(総務省)、相続税で使う路線価は8割程度(国税庁)が目安とされています。この関係から「固定資産税評価額÷0.7×0.8」で概算できます

これは概算のための簡易換算で、実際の路線価評価とは差が出ます。差はそのまま税額に響くため、基礎控除のすぐ近くの金額になる場合は専門家か税務署に確認してください。

基礎控除を超えたときの計算は3ステップ

基礎控除を超えた場合、相続税の総額は「法定相続分課税方式」で計算します(国税庁 No.4152)。誰がいくら相続したかにかかわらず、いったん法定相続分で分けたものとして税額を出します。

相続税の総額を出す順番

相続税の総額を出す順番 1. 課税価格の合計額から基礎控除額を引く:残りが課税遺産総額 2. 課税遺産総額を法定相続分どおりに按分する:配偶者と子なら配偶者1/2、子は残り1/2を人数で割る 3. 按分した金額に速算表をあてはめ、全員分を足す:税率と控除額は下の折りたたみに1課税価格の合計額から基礎控除額を引く残りが課税遺産総額2課税遺産総額を法定相続分どおりに按分する配偶者と子なら配偶者1/2、子は残り1/2を人数で割る3按分した金額に速算表をあてはめ、全員分を足す税率と控除額は下の折りたたみに
相続税の速算表(税率と控除額)を見る
相続税の速算表(国税庁 No.4155)。左の金額は「法定相続分に応ずる取得金額」
法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%0円
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円
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3つの例で見る(当サイトのシミュレーターと同じ計算式)

同じ実家でも、相続人が減ると基礎控除が小さくなり、税額は上がります。下の3例では、相続人が配偶者と子2人なら0円、子1人だけなら426万円。差は財産の額よりも「誰が相続人か」で開いています。

3例の入力と計算結果(仮の入力例)を見る

いずれも仮の入力例です。土地は上の簡易換算(÷0.7×0.8)、建物は固定資産税評価額そのまま、小規模宅地等の特例は使わない前提で計算しています。

相続税の総額(配偶者の税額軽減の適用前・小規模宅地等の特例なし)
相続人実家(固定資産税評価額)実家以外の遺産基礎控除課税価格相続税の総額
配偶者と子2人土地1,400万円・建物200万円1,500万円4,800万円3,300万円0円
子2人のみ土地2,500万円・建物300万円2,000万円4,200万円5,157万円96万円
子1人のみ土地3,000万円・建物300万円3,000万円3,600万円6,729万円426万円

税額が下がる可能性のある2つの制度

小規模宅地等の特例(土地の評価額が最大80%下がる)

亡くなった方が住んでいた宅地を、配偶者や同居していた親族などが引き継ぐ場合、330㎡までの部分について土地の評価額を80%減額できます(特定居住用宅地等・国税庁 No.4124)。実家が財産の大半を占めるなら、使えるかどうかで結論が変わります。

取得する人ごとの要件と、すぐ売れない理由

ただし要件が細かく、取得する人によって居住や保有の継続が求められます。同居していた親族が引き継ぐ場合や、いわゆる「家なき子」に当たる場合は、申告期限まで保有し続けることが要件です。つまり、80%減額を受けたままで、すぐに売って現金化することはできません。

配偶者の税額の軽減(1億6千万円まで)

配偶者が相続した財産については、次のいずれか多い金額までは相続税がかかりません(国税庁 No.4158)。

  • 1億6千万円
  • 配偶者の法定相続分相当額

適用には、申告期限までに遺産分割を終え、申告書を提出することが必要です。配偶者に多く寄せると一次相続の税額は下がりますが、二次相続の税負担が重くなることがあります。

重要な注意:小規模宅地等の特例や配偶者の税額の軽減を使った結果として税額が0円になる場合でも、相続税の申告そのものは必要です。これらの特例は、申告して初めて適用されるためです。判定は特例を適用しない状態の課税価格で行います(国税庁 No.4205)。

相続税がかからなくても、実家には別の期限がある

相続税の申告が不要でも、相続登記の期限(3年以内・過料あり)と、持ち続けた場合の固定資産税は残ります。亡くなった方の名義のままでは売れないため、売る・貸す・住むのどれを選ぶにしても名義の変更から始まります。

相続登記の期限と、固定資産税で気をつけること
相続税がかからない場合でも残る、実家の期限と負担
項目内容
相続登記2024年4月から義務化。不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記しないと、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象(法務省)
固定資産税持ち続ける限り毎年かかる。住宅が建っている土地は課税標準が200㎡までの部分で6分の1に軽減されるが(住宅用地特例・総務省)、管理されないまま放置され、市区町村から管理不全空家等・特定空家等として勧告を受けると、この特例が外れる

あなたの場合はどうなる?

実家と相続人の状況からみた、次の行動
いまの状況結論行き先
合計が基礎控除より明らかに少ない申告も納税も不要。相続登記は3年以内法務局
基礎控除を超えるか微妙簡易換算(÷0.7×0.8)の誤差が税額に響く水準税務署・税理士(先にシミュレーターで概算)
明らかに超えている知った日の翌日から10か月以内に申告・納付税務署・税理士
配偶者・同居の親族が引き継ぐ特例で0円でも申告は必要税務署・税理士(申告期限までに遺産分割を終える)
相続した実家をすぐ売りたい小規模宅地等の特例は取得者によって申告期限までの保有が要件税理士
一般的な取扱いだけ確かめたい国税職員に無料で質問できる国税庁の電話相談センター

よくある質問

実家しか財産がない場合でも、相続税はかかりますか?

課税価格の合計額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えなければ、かかりません。実家の評価額に預貯金などを足した合計で判定します。実家の相続税評価額は、固定資産税の課税明細書にある「価格」から、建物はそのまま、土地は「÷0.7×0.8」で見当をつけられます(概算のための簡易換算で、実際の路線価評価とは差が出ます)。

相続税がかからない場合、申告は必要ですか?

基礎控除額の範囲内であれば、申告も納税も必要ありません。ただし、小規模宅地等の特例や配偶者の税額の軽減を使った結果として0円になる場合は、申告が必要です。判定は特例を適用しない状態の課税価格で行うためです(国税庁 No.4205)。

申告と納税の期限はいつまでですか?

相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です(国税庁 No.4205)。配偶者の税額の軽減や小規模宅地等の特例を使うための「申告期限までの遺産分割」の期限でもあり、分け方が決まらないまま過ぎると、当初申告でこれらの特例を使えなくなる可能性があります。

土地の面積が広いと、小規模宅地等の特例はどうなりますか?

特定居住用宅地等として80%減額できるのは330㎡までの部分で、超える部分は減額の対象になりません(国税庁 No.4124)。当サイトのシミュレーターでも、面積を入力すると330㎡を超える分を按分して計算します。

この記事の計算をそのまま申告に使えますか?

使えません。本記事とシミュレーターは仮定の数値に基づく概算であり、個別の税務相談や税務代理ではありません。実際の申告額の計算は、税理士または所轄の税務署にご確認ください。一般的な取扱いは、国税庁の電話相談センターで国税職員に無料で質問できます。

まとめ:順番は「基礎控除→評価額→特例」

  1. 法定相続人の数から基礎控除額を出す
  2. 課税明細書の金額から実家の評価額に見当をつける
  3. 合計が基礎控除を超えるか比べる

超える場合・微妙な場合・特例を使う場合は、税理士または税務署に確認してください。

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本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言・税務相談ではありません。個別の判断が必要な場合は税理士・行政書士・弁護士等の専門家にご相談ください。

出典・参考

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