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実家の片付け、何から始める?費用の考え方と進め方

更新日 /約8分で読めます

和室で段ボール箱に書類や日用品を仕分けているきょうだいのイラスト

実家の片付けは、物を捨てる作業から始めると必ず止まります。先にやるのは、捨ててしまうと取り返しがつかない書類と貴重品を抜き出すこと。そのうえで残りを「自治体に出す/業者に頼む/買い取ってもらう」の3つに分け、業者に頼む分だけ見積もりを取ります。公的で中立な費用相場の統計は確認できていないため、相場を探すより見積もりの取り方を整えるほうが結果に効きます。

  • 先に書類と貴重品を抜き出す。行き先3つに分けるのはその後
  • 中立な費用相場は確認できない。追加料金とキャンセル料を必ず確認
  • 家庭のごみを業として運ぶには市町村長の許可が必要

捨てる前に、抜き出すものがある

段ボール1箱にまとめて持ち帰るもの

権利まわり
登記識別情報通知(いわゆる権利証)、土地の測量図・境界確認書、建築確認済証・検査済証。売るときも壊すときも必要になり、捨てると再取得に手間がかかります
税・お金まわり
固定資産税の納税通知書と課税明細書、通帳、保険証券、有価証券の書類
相続まわり
遺言書、過去の遺産分割協議書、親の戸籍関係の書類。遺言書は失われると復元できません
確認
業者に作業を頼む場合は、これらを抜き出し終えてから日程を入れる。作業当日に探すのは間に合いません

残りは「行き先」で3つに分ける

  1. 自治体に出す分:粗大ごみの収集や持ち込みで処理できるもの。制度も手数料も自治体ごとに違うので、実家がある市区町村の公式サイトで確認します
  2. 業者に頼む分:量が多い、大型で運び出せない、人手がない。ここだけが見積もりの対象になります
  3. 買い取ってもらう分:値がつく可能性があるもの。ただし自分から店に持ち込むか、自分から呼んだ事業者に限ります(後述)
  4. 家電4品目は別扱い:エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象です。買い替えなら新しい製品を買う小売業者に、処分だけなら購入した小売業者に引取りを依頼します(国民生活センター)

粗大ごみの手数料は自治体で制度も金額も違います。大阪市は1点につき200円・400円・700円・1,000円の4区分、相模原市は品目別に400円から3,600円です(各市の公式サイト)。他の自治体の目安にはなりません。

1書類と貴重品を1箱に抜き出す権利証/測量図・境界確認書/建築確認済証課税明細書/通帳/遺言書・遺産分割協議書2残りを「行き先」で3つに分ける自治体に出す粗大ごみの収集・持ち込み業者に頼むここだけが見積もりの対象買い取ってもらう自分から持ち込む・呼ぶ家電4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機)は家電リサイクル法の対象で別扱い3業者に頼む分だけ見積もりを取る許可/追加料金/作業内容と料金/キャンセル料1書類と貴重品を1箱に抜き出す権利証/測量図・境界確認書/建築確認済証/課税明細書/通帳/遺言書・遺産分割協議書2残りを「行き先」で3つに分ける自治体に出す粗大ごみの収集・持ち込み業者に頼むここだけが見積もりの対象買い取ってもらう自分から持ち込む・呼ぶ家電4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機)は別扱い家電リサイクル法の対象3業者に頼む分だけ見積もり許可/追加料金/作業内容と料金/キャンセル料
片付けの順番|捨てる前に抜き出す

「相場」を探しても答えが出ない

見るべきは相場との差ではなく、複数社の見積もりの差です。同じ荷物を見てもらったうえで、内訳の書き方がどう違うかを比べます。間取り別の相場表を掲載しているのは、見積もり比較や受注をしている事業者のサイトが中心で、比較の基準にはなりません。

国民生活センターに寄せられた遺品整理サービスの相談(2013年4月から2018年6月までの登録分522件)では、契約購入金額の平均が約42万円でした。ただしこれはトラブルになった案件の平均であり、費用の目安ではありません。

見積もりで必ず確認する4つ

国民生活センターが挙げる見積もりのポイント

許可を確かめる
市区町村のホームページ等から、一般廃棄物処理業の許可業者を探す
追加料金の有無
作業当日に追加が発生する条件を、依頼する前に聞いておく
作業内容と料金
何をいくらで行うのか、内訳を明確に出してもらう
キャンセル料
断ったときにいくらかかるのかを、契約前に確認する

同センターは、寄せられた相談事例の問題点を4点に整理しています。一般廃棄物処理業の無許可業者による違法な収集・運搬、広告の表示や事前の説明と異なる追加料金や作業条件、断りづらい状況での高額な支払い、契約書面が交付されず料金の内訳が分からないこと、の4つです(2022年11月2日 報道発表)。上の4項目は、この裏返しにあたります。

見積もりに出張料や見積料がかかる場合があります。事業者を呼ぶ前に、見積もりそのものに料金が発生するのかを確認してください(国民生活センター)。

無料をうたう回収でも、許可は必要

一般廃棄物の収集または運搬を業として行おうとする者は、その業を行おうとする区域を管轄する市町村長の許可を受けなければなりません(廃棄物処理法7条1項)。これに違反して業として行った者は、5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその併科の対象です(同法25条1項1号)。

同じ7条1項にはただし書があり、自らその一般廃棄物を運搬する事業者や、専ら再生利用の目的となる一般廃棄物のみの収集・運搬を業として行う者などは対象外です。古紙・古着だけを集める事業者がすべて無許可、という意味ではありません。

環境省も、無許可の回収業者を利用しないよう呼びかけており、不法投棄、フロンガスや鉛などの有害物質の環境への放出、発火・延焼といった事例が報告されているとしています。

訪問買取で守られる物と、守られない物

片付けと買取をまとめて頼みたくなる場面がありますが、購入業者が自宅など店舗以外の場所で物品を買い取る「訪問購入」には、特定商取引法のルールがあります。まず、守られる側から確認してください。

  • 貴金属・アクセサリー・着物・切手などは、訪問購入の規制の対象です。頼んでいないのに訪ねてきた事業者に売る義務はありません
  • 規制対象の物品について、勧誘の要請をしていない人の自宅等で勧誘したり、勧誘を受ける意思を確認したりすることは禁止されています(不招請勧誘の禁止、法58条の6第1項)
  • 勧誘に先立ち、事業者の氏名(名称)、契約の勧誘が目的である旨、購入しようとする物品の種類を告げる義務があります(法58条の5)
  • 法律で定められた書面を受け取った日から数えて8日以内は、無条件で申込みの撤回や契約の解除ができます(法58条の14)。起算点は契約日ではなく、書面を受け取った日です
  • クーリング・オフの期間内は、物品の引渡しを拒むことができます(法58条の15)

一方、片付けで出やすい物のうち、家具(たんす・机・ソファー・ベッド・マットレス・金庫など)、携行が容易でない家庭用電気機械器具(テレビ・冷蔵庫・エアコン・洗濯機・電子レンジなど)、書籍、CD・DVD等は、訪問購入の規制の対象から除かれています(特定商取引に関する法律施行令34条、消費者庁の具体例。2026年8月時点)。これらは訪問買取で引き渡してもクーリング・オフの対象になりません。

あなたの場合はどれ?

いまの状況次の一手どこへ
まだ物が全部残っているまず書類と貴重品を1箱に抜き出す。1部屋だけで試す
量が多くて自分では無理許可業者を探し、2社以上から見積もりを取る市区町村のごみ担当
すでに業者と話が進んでいる契約前に追加料金の条件とキャンセル料を書面で確認する
訪問買取の勧誘を受けたその場で決めない。頼んでいない訪問勧誘は法律で禁止されている消費者ホットライン188
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よくある質問

実家の片付けはいくらかかりますか?

物の量と搬出のしやすさで決まるので、まず2社以上に現地を見てもらってください。公的で中立な相場の統計は確認できておらず、間取り別の相場表を出しているのは受注側の事業者サイトが中心なので、比較の基準になりません。作業内容と料金の内訳が分かる見積もりを取り、追加料金の条件とキャンセル料まで含めて比べるのが確実です。

「無料回収」と書かれたチラシは使っていいですか?

料金の有無にかかわらず、一般廃棄物の収集または運搬を業として行うには市町村長の許可が必要です(廃棄物処理法7条1項)。依頼の前に、その事業者が実家のある市区町村の許可を受けているかを確認してください。なお市区町村によっては、許可業者であっても許可の内容に一般家庭から出る廃棄物の収集・運搬が含まれない場合があるため、まず市区町村の窓口に問い合わせるのが確実です(国民生活センター)。

片付けと同時に買い取ってもらうのは問題ありませんか?

自分から店に持ち込む、または自分から呼んだ事業者に見てもらう形なら問題ありません。禁止されているのは、勧誘の要請をしていない人の自宅での勧誘です(特定商取引法58条の6第1項)。ただし家具・大型家電・書籍などは訪問購入の規制対象から除かれており、その場で引き渡すとクーリング・オフはできません。貴金属や着物は規制の対象になります。

この記事は制度の一般的な説明です。請求や契約でトラブルになった場合は、消費者ホットライン188(局番なし)から最寄りの消費生活相談窓口にご相談ください。

出典・参考

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