墓じまいしないとどうなる?放置されたお墓の行く末と判断基準

この記事の中身
墓じまいをしなくても、すぐに何かが起こるわけではありません。ただし管理料の滞納が続き、管理者が承継者と連絡を取れない状態が長期化すると、最終的には無縁墓として整理(改葬)される可能性があります。
- 管理料を払い、管理者と連絡が取れていれば放置にはなりません
- 滞納と連絡の途絶が長期化すると、無縁墳墓として改葬される可能性があります
- 無縁墓として整理された遺骨は合祀が多く、個別に取り出すのは一般に困難です
- 次の一手:まず墓地の管理者に連絡し、管理料の支払い状況を確認する。そのうえで現状維持・親族への承継・墓じまいの3つから選ぶ。

お墓をそのままにした場合に起こること
「墓じまいをしない」には、管理料を払いお参りだけしなくなるパターンと、支払いも止まり管理者と連絡が取れなくなるパターンがあり、起こることは段階的に変わります。
段階1:管理料の請求は続く
寺院墓地や霊園では、承継者に年間管理料(寺院の場合は護持会費など)の支払い義務が契約上続きます。お参りに行かなくなっても、この請求が自動的に止まることはありません。
段階2:滞納が続き、連絡が取れなくなった場合
管理料の滞納が続くと、墓地の管理者はまず承継者への連絡を試みます。この段階で連絡がつけば、滞納分の支払いか墓じまいの相談かを選ぶ余地が残っています。
段階3:無縁墳墓として改葬される可能性
縁故者がいない、または連絡が取れないお墓は「無縁墳墓」として扱われることがあります。改葬は墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)とその関連法令に手続きが定められており、管理者は所定の手続きを経て遺骨を合祀墓などへ移せます。
管理料の引き継ぎ、連絡がつかないときの対応、根拠になる法令
承継者が亡くなった場合、管理料の支払いは次の承継者に引き継がれるのが一般的です。「何もしない」ことは、費用と管理義務を次の世代に渡すことと同じ意味を持ちます。
転居や代替わりで連絡先がわからなくなっている場合、墓地の管理者は名義人や縁故者を探す対応を取ります。問題は、連絡がつかないまま年月が経過した場合です。
改葬(埋葬した遺骨を他の墳墓等に移すこと)を行うには市区町村長の許可が必要とされており、無縁墳墓の改葬についても同法に基づく手続きが定められています。要約:e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」
無縁墳墓として整理された後の遺骨は、多くの場合ほかの方の遺骨とともに合祀され、合祀後に個別に取り出すことは一般に困難です。「いつか自分たちで」と考えていても、その前に整理が進むと選択肢がなくなります。
放置とみなされる前にできる3つの選択肢
現状維持・承継・墓じまいの3つの選択肢

あなたの場合はどれ?
| あなたの状況 | 選べる道 | 次にすること |
|---|---|---|
| 承継者が決まり、支払いとお参りも続く | 現状維持 | 管理者と連絡が取れる状態を保つ |
| 自分は続けられないが、継ぐ意思の親族がいる | 親族に承継(名義変更) | 管理者に承継の条件を確認 |
| 継ぐ人がいない/遠方で管理できない | 墓じまいして移す | 受入証明を揃え、市区町村に改葬許可を申請 |
| 管理料の支払いが負担 | 放置する前に相談する | 管理者に事情を伝え、支払いか墓じまいかを相談 |
| 管理者と数年以上連絡を取っていない | 連絡を回復させる | 寺院・霊園に連絡先を伝え、管理料の状況を確認 |
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墓じまいする場合の費用感
墓じまい費用の全体像
この費用目安は霊園・墓地紹介の事業者サイトによるものです。実際の金額は石材店の見積もりと移転先の料金で確定するため、複数の見積もりを取って比較することをおすすめします。
改葬(墓じまい)を選ぶ人は増えている
改葬件数は2024年度に約17.6万件と、10年前の約2倍に増えています。無縁化する前に自分の代で整理する選択は、特別なことではなくなりつつあります。
改葬件数の出典(厚生労働省「衛生行政報告例」の民間集計)
上記の件数は厚生労働省の統計をもとにした民間集計(墓じまい事業者サイトによる)です。元データは厚生労働省「衛生行政報告例」で公表されています。
判断基準チェックリスト
当てはまる項目が多いほど、早めに家族・親族で話し合う価値があります。
- 自分の次にお墓を承継する人が決まっていない、または承継の意思を確認していない
- お墓が遠方にあり、年1回以上のお参りや掃除が現実的に難しい
- 管理料の支払いを負担に感じている、または誰が払っているか把握していない
- 墓地の管理者(寺院・霊園)と最後に連絡を取ってから数年以上経っている
- 子どもに管理の負担を残したくないと感じている
逆に、承継者が決まり支払いとお参りが無理なく続くなら、急ぐ必要はありません。避けたいのは「決めないまま時間が経つ」状態です。
お墓の状況を入力するだけで、費用の目安を確認できます。
よくある質問
管理料を払い続けていれば、お参りに行かなくても問題ありませんか?
管理料を払い、墓地の管理者と連絡が取れていれば、無縁墳墓として扱われることは基本的にありません。ただし承継者が決まっていないと判断の先送りが続くため、引き継ぎ方は早めに話し合うことをおすすめします。
無縁墓として整理されると、遺骨はどうなりますか?
墓地、埋葬等に関する法律とその関連法令の手続きを経て、墓地の管理者が遺骨を改葬します。多くは合祀墓に移され、合祀後に個別に取り出すことは一般に困難です。扱いは墓地・自治体で異なるため、墓地の管理者に確認してください。
墓じまいは自分ひとりで決めてよいですか?
法的な手続き上は墓地の使用者(名義人)が主体ですが、お墓には他の親族の心情や信仰も関わります。決める前に親族へ相談し、寺院墓地では早めに住職へ意向を伝えてください。改葬には市区町村長の許可が必要です。
墓じまいせずに放置すると法律違反になりますか?
すぐに何かが起こるわけではありませんが、問題がないとも言い切れません。年間管理料の支払い義務は契約上続き、滞納と連絡の途絶が長期化すると、墓地、埋葬等に関する法律とその関連法令の手続きを経て、無縁墳墓として改葬される可能性があります。
年間管理料を払わないと、お墓はどうなりますか?
滞納が続くと、墓地の管理者はまず承継者への連絡を試みます。連絡がつけば、滞納分の支払いか墓じまいの相談かを選べます。つかないまま年月が経過すると、法令に定められた手続きを経て改葬され、多くの場合は合祀されます。支払いが負担なら、放置する前に管理者へ相談してください。
長男でも、お墓を継がないことはできますか?
選択肢はあります。承継の意思がある親族や墓地の近くに住む親族がいれば、名義変更で引き継いでもらえます。引き継げる親族の範囲などの条件は墓地の管理者に確認します。承継する人がいない場合は、墓じまいをして遺骨を永代供養墓などに移す方法もあります。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言・税務相談ではありません。個別の判断が必要な場合は税理士・行政書士・弁護士等の専門家にご相談ください。 記載の費用・相場は出典元の公開情報に基づく目安であり、実際の金額は寺院・霊園・業者により異なります。